習い事は子どもへのギフト?
いつものように公園に集まる詩穂と中谷。
「今日は外回りに行きましょう!」と、佳恋の習い事リストを考えてきた中谷は、習い事の体験に詩穂と苺を誘う。
「佳恋ちゃん、まだ1歳ですよ!?」と言う詩穂だったが、
「甘い!」と中谷に言われ、英会話教室の体験へ。
「子どもたちにどれだけ多くのことを経験させるのか。それが親から子どもに送るギフトです。」
「私は佳恋に少しでも多くの武器を授けたいんです。それが親としての責任ですから。」
専業主婦の自分のもとで過ごす苺は不利なのか、詩穂は中谷の言葉にモヤモヤしていた。
みんなででグランピングへ
そんな中、詩穂と中谷は礼子から誘いを受けて3家族で一緒にグランピングへ行くことに。
今まで交流のなかった中谷の妻である樹里(島袋寛子)も参加。
みんなでバーベキューを楽しんでいたが、礼子はみんなの前では気前が良い夫の量平(川西賢志郎)に、何か思うことがある様子。
日も暮れ、火を囲んで話す詩穂と礼子と中谷。
話題は習い事。礼子と中谷はスイミングや音楽教室について盛り上がっていた。
「あ、詩穂さん。これ、苺ちゃんの分も印刷してきました。来週体操教室の見学に行くので一緒に行きましょう。」
と、中谷は詩穂に声をかけるが、詩穂は怪訝な顔で「行きません。」と断る。
一瞬戸惑う中谷だったが、
「体操は柔軟性を鍛えられます。全身を上手くコントロールする力がつけばケガの予防にも、、」
それを遮るように、
「だからやらないですって。」と口調を強める詩穂。
不穏な空気に気付き、駆け寄る樹里と虎朗。
「中谷さんの言ってることは正しい。でも私と中谷さんは全然違うんです。中谷さんの正しさをこっちに押し付けないで下さい。」

礼子と量平
それからのある日、子どもたちの寝かしつけをしているうちに寝てしまっていた礼子。
起きてリビングに戻ると、畳まれていない洗濯に、量平の食べた後の食器がテーブルにそのままの状態。
礼子は無言でそれを片付け始める。
バツの悪そうな量平は、空気を変えようとこの前車に相乗りした対価としてのお金を虎朗に貰ったと話す。
「じゃあ、うちも払わないとね、対価。」
と、礼子は前に子どもたちがおたふく風邪になった時の対価として、詩穂に8万円を渡そうとしたことを伝える。
「え、8万円払って仕事に行くとか本末転倒じゃない?」
とポツリと言った量平に対して礼子は我慢の限界だった。
「じゃあ今度からは量くんが会社休んでよ!」
「いやそれは無理やって、仕事なんやから。」
「私もだよ。」

量平は、休みの日は自分も家事や子どもの面倒も見てることや、この間のグランピングも車を出して行き帰り運転をした、と主張。
それに対して礼子は、
「人前ではね。帰ってきてから何かしてくれた?荷物だって全部私が片付けたんだけど!」
と、声を荒げて話す。
「全然わかってない!なんでいつも他人事なの!?」
「俺だって疲れてんねん!」
「ちょっと頭冷やしてくる。」
と、礼子は部屋を後にして夜の外へ。
その後、量平から「さっきはごめん。明日半休取った。礼子の話をちゃんと聞きたい。」とLINEが届く。
家に戻ると、洗濯物を畳む途中で力尽きて床で寝てしまっている量平がいた。
食器洗いも済んでいる。その光景を見た礼子は微笑んでいた。

詩穂の過去
詩穂はいつものように苺と公園へ。
そこにやってきたのは有休を取った礼子と、半休を取った量平、子どもたちだった。
量平が子どもたちと遊んでいる中、
礼子は、なぜこの前中谷に対して怒っていたのかを詩穂に問う。
ー「私の母は専業主婦だったんです。」
詩穂の母は中学3年生の時に亡くなっていた。
それからは詩穂と父である岡田純也(緒形直人)で家事を分担するようになったが、父は仕事を理由に家事をしなくなり、詩穂の負担が次第に増えていった。
好きだった部活のバスケも両立が難しく退部することに。
「今しかできないことをしたい、誰かの作ってくれたご飯が食べたい。ずっとそう思ってました。」
しかし、そんな父を見て自分も父と同じだったと気づいたと話す。
「母がしてくれていた家事を当然だって思ってた。」
「ありがとうなんて言ったことなかった。」
月日は流れ、詩穂の高校卒業式の日に。
父は仏壇に手を合わせた後、
「お祝いに今夜は詩穂の好きなコロッケが良いかな。」
「作っといて。」
その一言に我慢の限界を迎えた詩穂は、母が遺してくれた「詩穂貯金」を持って家出をし、そこから一度も帰っていないと言う。
中谷から体験格差の話をされたとき、自分が父にそうされたように、自分も専業主婦を選んだことで苺の何らかの機会を奪ってしまうのではないかと不安を感じたと話す詩穂。
それに対して礼子は、
「私はそうは思わないよ。詩穂ちゃんが専業主婦だから苺ちゃんにあげられているものだってきっとある。」
と、専業主婦を選んだ詩穂の道を肯定するのだった。

体験できなかったこともひとつの体験
実は詩穂と礼子の会話を偶然聞いていた中谷。
詩穂の父との話に、自分と母の記憶を重ね、詩穂への言葉を後悔していた。
詩穂がいつもの公園に行くと、そこには久々に中谷の姿が。
気まずさの中で、中谷は自身の過去を話し出した。
母の意向に沿い、高校生時代は勉強をしたら終わっていた、自分も詩穂と同じだ、と。
詩穂は、バスケ部を辞めてからきっかけがあって美容師の道に進んだこと、そして美容師を選んだ先に虎朗との出会いがあり、苺が生まれたと話した。
自分が描いていた道を進んできたわけではなくても、今に繋がっていたのなら決して無駄ではなかったと。
「体験できなかったっていうのもひとつの体験で、それだっていつかは武器になるかもしれないですよ。」

When life gives you lemons,make lemonade.
「人生が君にレモンを与えたら、レモネードを作れば良い。」

謎の手紙
詩穂の郵便受けに誰かが封筒を入れる。
篤正が偶然それを取り、礼子に渡すとそこには、
「村上詩穂 あなたのような専業主婦はお荷物です。」
と書かれていた。
不審に思う礼子の視線の先には、詩穂を見つめる男性の姿が。
男性は礼子の視線に気がつくと慌ててその場を後にするのだった。

5話を観た私の感想
今回も色々と自分に刺さりました。
思えば習い事もお金がかかるわけで、自分の欲しいものを後回しにして、親は自分に習い事をさせてくれていたんだなとも感じました。
そして親の選択や考えで、子どもの環境や道もまた変わっていく。
私もあの時あっちを選んでいたら、と考えたこともありますが、詩穂の言うとおり、今に繋がっていたのならこの道の選択で良かったと思えます。
最後の謎の手紙と男性が気になります・・。